「本の日」ブックカバー大賞2022 大賞作品発表!
「本の日」実行委員会(事務局:日本書店商業組合連合会、実行委員長:矢幡 秀治)では『「本の日」ブックカバー大賞』を企画し「読書が楽しくなるブックカバー」をテーマに、ブックカバーのデザインを募集しました。
応募資格は“本が大好きな人”。デザインのプロからアマチュアの学生まで、219作品のご応募いただきました。募集期間終了後、参加書店にて応募作品の選考を行ない、その結果を踏まえ矢幡秀治実行委員長を審査委員長に、デザイン・美術系雑誌4誌の編集長の皆様で構成された審査委員会にて厳正な審査を行ないました。 決定した大賞作品、各編集長賞を発表します!
決定した大賞作品、各編集長賞を発表します!
大賞 / 卯月小春 『本を持って旅をする。』(神奈川県、イラストレーター)
【作者コメント】
手に取った本にはまり、聖地巡礼へ旅する兎の物語。かつての沢山出かけられた日々、緊張、楽しさ、同志との出合い、色々な想いを込めて描きました。兎がどこに行くのか、何を読んでいるのかを想像しながら、このカバーを旅に連れて行って貰えたら嬉しいです。11月1日の後は読点、袖を余白マスにしましたので、どうぞ続きの物語、想いやメッセージを綴って下さい。
【総評(「本の日」実行委員会 委員長 矢幡 秀治氏)】
今年の「本の日」ブックカバー大賞は”本を持って出かけたくなる”をテーマに募集を行い、全国から219作品の応募があった。応募作品はどれもテーマに合わせ工夫されており楽しく審査をさせていただいた。
大賞の作品は、イラストのタッチも親しみやすく、このブックカバーをつけた本を持っているひとを見かけたら、つい興味を惹かれるようなデザインで、実際に審査会でも審査員が目を惹かれた。一枚のブックカバーに物語が描かれており、車窓から見える景色や、本を片手に旅をする動物たちの楽しそうな表情からまさに”本を持って出かけたくなる”ブックカバーといえる。また本にブックカバーをかけた際のバランスもよく考えられており、ぜひ実際にカバーをかけた本を持って出かけてもらいたい。
次回の「本の日」ブックカバー大賞もまた、本の日にふさわしい、読書の楽しさを伝える独創的な作品に出会えることを楽しみにしている。
■各編集長賞
「イラストレーション」編集長賞 / おくむらさなえ 『愛本とお散歩』
(岡山県、イラストレーター・デザイナー)
【作者コメント】
「本を持って出かけたくなるブックカバー」ということで、わんちゃんと散歩に行くような何気ない気軽さで、本も連れて行ってもらえたらという意味を込め、本を被った犬(愛犬ならぬ愛本)が公園に居るところをイメージしました。
背景左の扉のような形は、本であり、または新しい世界への入り口でもあり、読書するときの、気づけば別世界に連れて行ってくれるような没頭感と冒険感を表現しました。
あなたが愛本をどこかに連れて行ってあげると同時に、愛本があなたを新しい世界へと連れて行ってくれます。
【選評(「イラストレーション」編集長 竹内 康彦氏)】
多くの応募作品でモチーフとして動物が描かれていました。
その中でもこの作品の犬はフォルムも独特でありつつ、かわいさも感じました。
本という文字のあしらいもそれほど主張せず、作品に馴染んでいて好感が持てました。
「芸術新潮」事業部部長賞 / 亀友まお 『山羊と羊』(東京都、学生)
【作者コメント】
一般的には紙を食べてしまうイメージの山羊がたくさんの羊のなかで唯一本を読んでいるという様子を描くことで、現代の社会人の多くが電車内で本を読んでいないことを表しました。
今回のテーマが「持ち運びたくなるブックカバー」ということで、このブックカバーを付けた人が電車に本を持ち込みたくなるようなブックカバーを目指しました。
【選評(「芸術新潮」事業部 部長 吉田 晃子氏)】
作品のコンセプトに惚れた!紙を食べるはずの山羊が本を読んでおり、羊たちが食べている点は、車内で本を読む人が多かった時代と少なくなった現代の逆転現象を表現。山羊だけが読んでいることで、体の栄養になる食事に対して読書は心の栄養になる、という書物本来の姿も強く印象づけている。
「アイデア」編集長賞 / keema_comic 『おのおの読む』(兵庫県、イラストレーター・デザイナー)
【作者コメント】
読書好きな恋人は、寝そべって本を読んでいる。おれも読んでみるかな。と気楽に本を広げたひとを描きました。
気軽な読書は、環境から。本が目に付く部屋になればいいのかなと思います。ミニマルテイストのイラストは、アートのよう。本が床に、机に、出しっぱなしでも絵になるようなたたずまいになるようなデザインをめざしました。性別問わず使えて、目についたらつい鞄に忍ばせたくなります。
【選評(「アイデア」編集長 西 まどか氏)】
日常のなかで本に親しむ様子が描かれており、そのリラックスした雰囲気にそそられた。色を使う作品が多いなか、黒い線だけでシンプルに表現されている点にも惹かれた。端に見える足から物語が想像できるところにもユーモアを感じる。
「美術手帖」編集長賞 / swtiih green 『ようこそ、こんにちは』(神奈川県、描き手)
【作者コメント】
本を木に例え、その中に潜ってみたり、外を眺めている様子を描きました。
いろんな用途で本を読みますが、いつもうちとそとを見つめることができる大切なものだと思っています。
【選評(「美術手帖」総編集長 岩渕貞哉氏)】
絵のタッチや色使い、構図がすごく好きな作品。ブックカバーとして巻くと、本の世界に見立てた樹の中に入る後ろ姿が見えて、裏返すと開いた窓から本を読んだ新たな目で世界を見つめている。そんな素敵なストーリーが浮かびました。また、本と一緒に絵を持って歩いているような感覚にもなります。
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